Love is up to me!【完】
しばらく呆然として図書室の扉を見つめていたけれど、不意に私の肩を支えていた手が離れて、
「……ごめんね?」
頭上から声がする。
体、支えてもらってたままだったんだ……!
急に恥ずかしくなって汐田くんと少しの距離を取り、慌てて深くお辞儀した。
「あ、ありがとう、汐田くん……!」
「いやいや、俺、余計なことしちゃったかな? 迷惑じゃなかった?」
腰を曲げたまま首を振れば、ホッと安堵したように、彼が息を吐いたのが分かる。
「顔上げてよ」
その声を聞いて、ゆっくり体を元に戻した。
……久しぶりに、サクロ以外の男の子と長く話して、制服越しにだけど肩を触られた。
いや、私がどんくさいから助けてくれただけだけども……!
「あの二人のこと、見てたでしょ、ずっと」
「えっ!?」
「あれ、違った?」
「……正直に言うと、……ち、違わない、です……」
ばれてた……っ!