Love is up to me!【完】
かーっと顔が熱くなり俯いて、じっと靴の先を見つめる。
恥ずかしい。
「……佐久路に、抱きしめられたとき、顔、真っ青だったからさ。……めい子ちゃん、知られたくなかったのかと思って」
……すごいなあ。
私のことよく見てくれてる。ちゃんと気持ち、考えてくれて、行動してくれたんだ。
「いらないことしてごめん」
「いらないことじゃないよ、……すごく、助かったよ。……汐田くんの、言ったとおりだった、から」
優しい人だなあ。気が利く人だなあ。だからモテるんだ。皆から、人気なんだ。いいなあ、こういう人。
勇気を出してお礼の気持ちを伝えれば、顔をくしゃっとして笑った汐田くんが、よかった、と呟く。
それに何て答えればいいのかわからなくてまた俯けば、途端に気まずい沈黙が流れた。
……あ。汐田くん、嫌な気分にさせちゃう。……こんな優しい人に、気まずい思いしてほしくない……!
私がどうにかしなければと思って必死に話題を探すけれど、ふさわしいそれは思い浮かばず、
「……めい子ちゃん、佐久路と付き合ってる?」
結局は汐田くんが先に口を開いた。
「えっ!? 何で!? 付き合ってないよ!」