Love is up to me!【完】
小2から、ずっとそうだった。
小学5年生の時、私に初めて好きな男の子ができたときも、中学に上がって周りからからかわれても、サクロはずっと私を好きだと言った。
小さい頃から言われ続けてきた言葉を、今も彼の中にある感情だと考えるのは、違うもん。
サクロが私を好きって言う度、嬉しい半面、すごく不安になったの。
私じゃない誰かに、サクロが“好き”って言う日がくるんじゃないかって。
「……この際言うけどさー」
落ち着きを取り戻した七海ちゃんが、はーっと長く息を吐いて、自身の前髪をかき上げた。
「中学んとき、“城田めい子現象”のせいで、あんた省かれかけたじゃん?」
「……」
「そんときはあたし、クラス違ったから助けてあげらんなかったけど、佐久路が解決してくれたよね?」
「……うん」
「でもそれ、そもそもの原因作ったの、佐久路だから」
「……え?」
私の知らない話を知っている七海ちゃんは、ちょっと困ったように笑う。
……中学のとき、変な噂のせいで私に言い寄って来た男子たちを、サクロが一喝して追い払ってくれた。
そのおかげで、なんとか女の子の世界で本格的な孤立を味わうことなく一連の事件は幕を閉じた。