Love is up to me!【完】
少し苦い思い出の原因に、サクロがどう関わっているというのか。
彼は、私が辛い時に助けてくれたヒーローみたいな人なのに。
だって、“城田めい子に気に入られれば彼女ができる”っていう噂のそもそもの原因というのも、私が仲良くなる男子に次々と彼女ができていったからで……。
考えてみるけれど思い当たる節はなく、首をかしげる。
「めい子は気付いてなかったと思うけどさあ」
「……え?」
「佐久路、めい子のこと大好きなんだよ?」
「どういう意味?」
「あいつ、小5の時めい子に好きな人ができたことにすごい焦ってさあ、……そんときから、めい子に言い寄ろうとする男に片っ端から別の女をあてがったの」
「……?」
「まあある意味才能だよね。口達者だから、どんどんカップル成立させちゃうの」
……え、えっと? つまり?
私と仲良くなる男子に彼女ができるって噂は、サクロが成立させたってこと?
私と親しくなった男子に、サクロが裏で工作して、彼女をつくらせたの?
……どうして、そんなこと……。
――“佐久路、めい子のこと大好きなんだよ?”