Love is up to me!【完】
『だめだよメーちゃん、好きになっちゃ』
そこでふと思い出す。
『だめだよメーちゃん、好きになっちゃ。“汐田のこと”』
……また、勘違いかもしれない。
じゃ、なくって……! 勇気、私、まだ、なにも出してない、頑張らなきゃだめだ……。
「……さ、サクロ」
「なにー?」
「……中学のこと、七海ちゃんから聞いた、よ」
「……えっ」
形勢逆転。そう伝えた途端、サクロは顔面蒼白となり、一瞬でフリーズ。固まってしまった。
え、え……! しっかりして!
慌てて彼の頬をぺちぺち叩いて意識を取り戻させる。
「サクロ、どうしたの……!」
「……ごめん」
珍しく力ない声で、サクロは項垂れた。
「あ、謝ってほしいわけじゃないよ!?」
「ごめん、メーちゃんが苦しんだのは、俺のせいだったのに。……どうしても言えなかった、嫌われたくなくて」
「……うん」
「誰にもとられたくなくて」
サクロのゆるやかな声のトーンと比例して、私の心臓の動きは加速していく。