Love is up to me!【完】
ナオくんとは一応顔見知りの仲ではあるので、目が合った時点でお互い軽く会釈する。
完全に二人の後ろ姿が見えなくなったところで、七海ちゃんが私の腕をつついた。
「あの子が噂のナオくんの彼女?」
「多分、そうだと思う。可愛い人だねえ。すごくお似合い」
「それにしても、“城田めい子現象”は伊達じゃないね」
「え?」
「中学の頃からずっと、あんたと仲良くなる男子が次々に彼女できてったじゃん」
「そんなこともあったけど……、え、“城田めい子現象”って呼ばれてたの~?」
「そー。誰がつけたんだろうね。今思うとださいわ、てか、懐かしすぎる!」
声を上げて笑う七海ちゃんに続いて私も笑う。
ほんとにおかしくて笑ったけれど、今だからこそ笑えるのだ。
というのも、中2あたりから、なんとも不思議なことに私と仲良くなる男の子たちは、次々と彼女持ちになっていくことがあった。
ちょっといいなと思ってた男子から、全くただの友達だとしか思ってなかった男子まで。