Love is up to me!【完】
Don't kiss me! (2)
***
「メーちゃん、帰ろ!」
「うん、待って!」
教室のドアのところで、私を待つサクロを見つけて、慌てて鞄を持ち上げた。
「七海ちゃん、ばいばい」
「ほーい、また明日ね」
笑顔で送り出してくれた友人に手を振って、廊下に出る。
サクロの部活のない日、私たちは一緒に帰る。
冬に近付くにつれて、その日数は増えて行くから、楽しみが増えるみたいで、嬉しい。
朝は、サクロは部活の練習があるか寝坊するかで、一緒には行けないから。
「メーちゃん、今日、暇? 久しぶりにどっか寄っていこうよ」
「う、うん」
「やった。メーちゃん独占」
さらりと言う無邪気な声が、どれほど私の心臓に負担をかけているのか、サクロは知らない。