陽だまりをくれたきみが好き。


「ふは!いいよ。じゃあ決定な。俺が勝ったらお前ら別れろよ」



えっ……!

そんなっ、いやだよ!


早瀬くんと、別れたくないっ!



「わかった。正々堂々と勝負だ」


「…は、早瀬くん…っ」


「ははっ、なんて顔してんだよ。大丈夫。さっきも言ったけど、俺は勝つよ」



そんなこと、言ったって……。

勝負なんて、なにが起こるか……。



「俺も川口と別れたくないから。ぜってぇ、勝つ。だから……」



え?



「俺を信じて」




フッと微笑んで私の髪を撫でたかと思うと、一瞬で真剣な瞳をした早瀬くんは体育館へと戻って行った。


そのあとを追うように佐々木くんも歩いて行った。


残された私と内田くん。



「川口……」


「行こう、内田くん。早瀬くんの応援しなくちゃ…っ」



……私は早瀬くんのこと、信じてる。

応援、してるね……。


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