陽だまりをくれたきみが好き。



「……あいつ、無茶するな」



体育館の二階。

見下ろすとジャンプボールをする二人がもう中央に立っていた。


……なにかの因縁のように、早瀬くんと佐々木くんの二人だった。



「無茶じゃないよ……。だって早瀬くん勝つって言ったもん」


「あぁ」


「早瀬くんはウソつかないよ」


「……うん、そうだな」



ぎゅっと祈るように両手を握りしめた。


勝ってね、早瀬くん……!


ピーー!

始まりのホイッスル。


真っ直ぐ上に投げられたボール。
まず最初のジャンプボールを制したのは……ーー



「へへっ、ざまあみろ!」



……佐々木くんだった。


佐々木くんのチームの人がドリブルでゴールへ向かう。


ゴール付近で佐々木くんがパスを要求して、そのまま……。



「佐々木、ナイッシュー!」



彼が放ったボールは綺麗なこうをえがきゴールに吸い込まれていった。

先制点は、佐々木くんのチーム。


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