陽だまりをくれたきみが好き。



今までずっと私はあなたを憎んで来ました。
正直、大嫌いでした。


あなたにいじめられていたあの頃、世界中のどこにも私の味方はいなかったから。


私に友だちや仲間ができないのは、自分の見た目が悪いからだと思ってたよ。


だけど、本当は

佐々木くんがいなかったら……って。


あの時、佐々木くんが私の手を咄嗟に振り払わなければ、佐々木くんさえ意地悪して来なければ、佐々木くんがクラスの人気者じゃなければ、私は普通の子と同じように生きていられたのかもしれないって心のどこかで思ってた。


私が苦しいのは、ぜんぶ、ぜんぶ、佐々木くんのせいだって、そう考えてたんだよ。


でもね。

今はその時とは状況が違うの。


私には友だちがいる。

早瀬くんという彼氏がいる。


味方が、たくさんいて
私のことを外見で判断せずに向き合ってくれる人がいる。


だからね?


佐々木くんのこと、許せないけど

過去にされてきたこと、忘れられないけど


今の私は、たぶん、幸せだから。


反省するまで謝らないでいて、いいよ。


それを待てるぐらい、今の私は心が大きくなった。


大切な人が、いるから。



「佐々木くんのことはきっとずっと忘れないし、許せないと思う。でもね、私、いじめられて独りだったからこそわかることもたくさんあるんだ」



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