陽だまりをくれたきみが好き。



「どうぞどうぞ。座って」


「……し、失礼します……っ」



駅の近くにある高級マンションの、最上階。
そこが笠原さんの家だった。


……芸能人っぽい家。


入ってすぐの玄関からもうすでに高級感で溢れてて。


飾られている絵画とか、置き物、ありとあらゆるものが高そうで……。


そして、笠原さんの部屋の家具は白とピンクでそろえられている。


お姫様のような部屋だ。



「じゃあまずはお化粧しましょ」



私を大きなドレッサーの椅子に座らせて、にこにこ楽しそうな笠原さんに鏡越しに苦笑い。


……どうしてそんなに楽しそうなんだろう。



「いい?今日の目標はお化粧の仕方をマスターすることだからね?」


「えっ……?」


「ちゃんと教えるから、覚えてよー?」


「う、うん……っ」



私がお化粧をしても……

ちゃんと可愛く、なるの……かな……?


こんな、私でも……。


変われる、のかな。


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