陽だまりをくれたきみが好き。
早瀬くんに手を振って別れたあと、学校を出て公園に向かった。
……ネコちゃん濡れてないかな。
心配で来てしまったけど……。
って……あ、れ……?
傘にあたる雨の音がやけに大きく聞こえた。
綺麗なハチミツ色の髪の毛。
あの後ろ姿は……。
「内田くん?」
つぶやいた声は雨音に消された。
かがみ込んで、ネコちゃんがいるダンボールに傘をあずけている彼の肩はびしょ濡れだ。
……か、風邪引いちゃう!!
「風邪引いちゃいますよ!!」
走って彼の上に傘をかたむける。
ビックリした表情で振り向いた内田くん。
「バカ、お前が濡れる」
立ち上がって、グイっと私の傘を持つ手に手を重ねて強引に私の方に傘を押しやる内田くん。