陽だまりをくれたきみが好き。


……あぁ、でも。

こんな些細な会話を、私、ずっとしたかったんだ……。


爆笑する内田くんの姿も久しぶりだ。


いつも眉間にシワ寄せているからかな。笑った顔はすごく無邪気で可愛い。



「なにか飲む?コーヒー飲める?」


「……あ、はい。飲めます」


「ふっ……」



こぼすような笑み。

ポンと、頭の上に置かれた手。


……なんかこの雰囲気。

甘ったるというか、こそばゆいというか……。


気持ちも頬もゆるくなる。



「…………」



その時ふとテレビ台の上に置いてある写真に目が止まる。


近づいて見てみるとそこには幼い頃の面影がある内田くんと早瀬くんと一人の女の子。


二人ともあんまり変わってないなぁ。

でも……誰だろうこの女の子。


すこしぽっちゃりしてて、鼻も目も小さい。


お世辞にも可愛いとは言えない。


内田くんと早瀬くんと並んで写真撮るぐらい仲がいいってことは幼なじみとかかなぁ。


なんて、そんなことを思った時。



「…………」



……ハッとした。
頭をよぎったことに首を振る。


幼なじみ……?

内田くんと早瀬くんと仲のいい女の子って……


いや。でもまさか。


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