陽だまりをくれたきみが好き。


そして。

どうして今になって俺の中の玲香への気持ちに気づくんだよ。


なにもかも取り返しのつかない。

とんでもないことをしでかしてしまった。



『晶?なにしてんの?』



ロビーに響く、亮太の場違いにのん気な声。


なんでこんな時に限ってコイツは早く帰って来るんだよ……。


タイミング悪すぎだろ。

いずれはバレることかもしれないけど、今はまだ……。



『……だれ?』



玲香を見て、呟いた言葉。

玲香の顔からみるみるうちに笑みが消えていく。


俺は生きている心地がしなかった。


あぁ、今すぐ消えたい。


ここからいなくなりたい。今すぐに。



『私だよ?わかんないの……?』


『…っ、玲香か……?』



ツメが手のひらに食い込むぐらい強く握りしめていた。


……これ以上なにも聞きたくないと思ってしまった。



『お前、バカじゃないのか!?なに自分の顔変えてんだよっ!?俺言ったじゃないか!俺がずっとそばにいてやるって、そのままの玲香でいてって……!』



亮太の大きな怒鳴り声。

玲香の大きくなった瞳が揺れる。


気が遠くなる感覚。

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