陽だまりをくれたきみが好き。
本音で私と話してくれますか


今日も朝早くから激しい雨が降っていた。


通学中、地面に跳ね返る雨がローファーと靴下まで侵食してとても気持ち悪かった。



「……?」



いつものように教室に入ると美由ちゃんと沙都子ちゃんを探す。


あれ……?


いつもはベランダの入り口あたりで話している二人が、今日はあまり仲良くはないはずの中野さんとスマホの画面をなにやら神妙な面持ちで見つめていた。


私に気づいた二人が「あっ」と、気まずそうに顔を歪ませる。



「どうかしたの……?」



私の問いに、二人が顔を見合わせている。


首を斜めにかしげながら、ふと目に入った中野さんのスマホの画面に目を見開いて息をのんだ。



「これ……」



いったいどうして……?


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