陽だまりをくれたきみが好き。



ギュッと手に力を入れて、目をつぶっていた。


……お願い。


玲香ちゃんを傷つけないでください。


私の大切な友だちなんです。


ゆっくり目を開けると、ビックリしたような顔をした玲香ちゃんと目が合う。


クラスメイトも口をポカーンも開けて私を見ていた。


すると何を思ったか玲香ちゃんがいきなり後ろを振り向くと一目散に教室の外へと全力疾走した。


あっ……。



「待って!!」



とっさに私も追いかける。


全力で廊下を駆け抜ける私たちを廊下にいる生徒たちがキョトンとした顔で見ていた。


……待って、玲香ちゃん!!


玲香ちゃんにやっとの思いで追いつくと腕を握った。



「やめてよ!離して!」


「い、イヤです!」


「離してってば!」



私の手を強引に振り切ろうとする玲香ちゃんに何がなんでも離さないと力を込める。


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