陽だまりをくれたきみが好き。


けれど力に負けて手を離してしまう。


綱引きのように腕の引っ張り合いをしていたその勢いで二人ともが尻もちをついてしまった。


……いったぁ……。



「なんで追いかけて来んのよ……っ」


「玲香ちゃんが、逃げるから」


「なんで、なんでアンタなのよ……」



這いつくばるように私のところへやって来ると胸ぐらを掴んだ。



「なんでアンタなのよ!!」



玲香ちゃんの頬は涙でぐっちゃり濡れていた。


みんなが何事かと集まって来る。


けれど今はそんなことどうでもいい。



「なんでよ……なんで私よりブスで根暗なのくせに私が欲しいもの全部持ってるのよ……っ」


「玲香ちゃ……」


「友だちだって、恋人だって……」


「……っ……」


「私だって本当は……」



掴んでいた私の制服をゆっくり手放す。



「本当はまだ、亮太のことが、好きなのに……」



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