陽だまりをくれたきみが好き。
目の前で泣くかつての想い人。
しかも俺への想いを叫びながら……。
俺の胸の中でひしひしと広がるジレンマのような感情。
俺は、俺は……。
今、誰が好きなんだ……。
「おい」
肩をつかまれて振り向くとそこには晶がいた。
「ちょっとツラかせよ……」
鋭く睨みをきかせた晶の目。
「あぁ……」と、力なく返事をすると俺たちは人ごみを抜けてひと気のない渡り廊下まで出た。
「なんだよ……」
ツラかせって言っておきながら黙ったままの晶に痺れを切らして言葉をかける。
「玲香のこと、言っておこうと思って」
「玲香のこと……?」
「あいつが整形したのは、俺のせいなんだ。俺があいつに亮太はお前みたいなブスより綺麗な子が好きだって……っ」
最後まで聞くことなく俺は晶の頬を力強く殴っていた。
勢い良く倒れこむ晶を睨む。
「だからお前があいつに裏切られたんじゃ……っ」
また、殴る。
「ぜんぶ、俺のせいなんだ……っ」