陽だまりをくれたきみが好き。
ーーガラガラッ。
すぐ後ろで扉が開く音。
振り向くとそこには早瀬くんと口の端を切った内田くんが。
え……!?
「どうしたんですか!?その傷!!」
「……っるせ」
「うるさくないですっ」
美しい顔に似合わない痛々しい傷。
思わず顔をしかめていると「俺が殴った」って隣にいる早瀬くんが。
えぇ!?
早瀬くんがなんで!?
「男同士のケンカだから、お前が気にすることじゃねぇーの」
「でも……」
「だーかーら。うぜぇって」
「う…!?」
うざい!?
せっかく心配してあげてるのに!!
ぶぅっと頬を膨らませている私の頭に内田くんが手を乗せて。
「お前、頑張ったな」
そう、言ってくれた。
うなずくと自然と笑みが出て来た。
私、もう前の私とは違うよ。
私は頑張れる。
どんなことにだって、きっと逃げないで向き合える。
そして一歩を踏み出す勇気を手に入れた。