陽だまりをくれたきみが好き。


早瀬くんは、やっぱり眩しいな……。


心が大きくて、優しくて、温かくて。


そんな早瀬くんだから私は迷いながらでも、あの時手を取れたんだと思うの。


だから、早瀬くんに出会えたことが、私の人生の中で宝物なんだよ。



「わぁ、すごーいっ!」



水族館についてすぐ。


大きな水槽の中を食い入るように見る。



「水族館とか小学生以来だな」


「私も!」


「あ、サメ来た!」


「本当だ。大っきいね」



目の前を大きなサメが通りすぎて行った。


他にも色んな魚たちが行き交う水槽の中がキラキラしていて、すごく神秘的。


どこか違う世界に迷い込んだみたい。



「これシーラカンスの化石だって」


「シーラカンス?」


「幻の魚って書いてある」



……本当だ。


展示品を見て回って、真剣な表情でそれを見る早瀬くんの横顔を見る。


内田くんほどではないけれど整った横顔に胸がキュっとする。


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