陽だまりをくれたきみが好き。


車が通りすぎるエンジン音がやけに響く夕方の公園。



「あれっ……おかしいな……っ」



ポロポロ出てくる雫。

スッキリした心とは裏腹に涙が勝手に出て来ちゃう。


でも良かった。

早瀬くんの前で泣かなくて。


何かに終わりを告げることは、悲しいんだ。


胸がギュッと痛い。


これから早瀬くんにお弁当をつくらないんだと、

お昼も二人で食べなくなるんだと思うと、やっぱり寂しく感じる。


初めての恋人だったから。


これからは友だちだけど、

やっぱり寂しい。


ーーザッザッザッ。


近づく足音が私のすぐ後ろで立ち止まる。



「なに泣いてんだよ」



え?



「内田くん……っ?」



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