陽だまりをくれたきみが好き。



しゃがみ込んで膝を抱えていた私の横に目線を合わせるようにして内田くんが座り込む。



「……頑張ったんだな」



諭すような声がすごく優しくて、心に響く。


ダムが崩壊するように涙が出て来ている私の頭を優しく撫でてくれる。


……私は。


自分が思ってたより早瀬くんのことが好きだったんだ。


そりゃ、そうだ。


ずっと暗がりにいた私を、日の当たる陽だまりの場所まで連れて来てくれたんだから。



ーーサヨナラ。

私の、世界を変えてくれた人。



すごく、すごく、大切でした。


これからは大切な人とお幸せに……。



「内田くん……っ」



どうしよもなく、内田くんの胸に飛び込んだ私は彼の胸の中で思い切り泣いた。


すべてを黙って受け止めてくれる内田くんの温もりに包まれたまま。


……私のはじめての恋は終わりを告げた。


< 194 / 206 >

この作品をシェア

pagetop