陽だまりをくれたきみが好き。
早瀬くんがおかしそうに笑ってて。
ポカンと、わけもわからずに彼を見ていた。
「もっといっぱい話そうよ!川口のこと、俺、知りたいし!」
なにを言ってるんだろう、この人。
私のこと知りたい……?
ブサイクで、根暗で、キモい私のことを……?
「か、からかわないでください……」
目を輝かせる早瀬くんとは正反対に、顔の筋肉をうまく動かせずにうつむいた私の表情を髪の毛が隠す。
……そんなの、信じられるわけない。
おもしろ半分でそんなこと言わないでよ……。
早瀬くんは誰にでも優しいことを、私は知ってるよ。
だから友達のいない私に、こうしてたまに話しかけてくれるんでしょう?
でも、そんな優しさ、いらない……。
だって、ほら。
女の子たちが見てる……。
早瀬くんにはわからないかもしれないけど、
私はそんな優しさよりも、
平凡で、いじめられない毎日の方が欲しいんだよ。