陽だまりをくれたきみが好き。


「それって、どういう……?」


「そのままの意味だけど」



……よく、わからない。

そのままって、どういうこと……?


早瀬くんが真剣な表情でこっちを見てて、目を見開いて固まる玲香ちゃんもこっちを見てて。


そして私はというと、早瀬くんの言った言葉が理解ができなくて、ただまばたきを繰り返していた。


好きって?

ラブ?ライク?どっちの?


……でも、だとしたら。


それはどうしてなの?


信じられない。

なにもかも、信じられない。


早瀬くんがそんなウソをつく人だとは、思わなかった……。


ガラガラッーー


すぐ後ろであいた扉に、反射的に振り向く。



「あ……いた」



……蜂蜜いろの、髪。

伏し目がちで綺麗な瞳に、鼻筋に、輪郭。


気だるそうな声と態度。


キーンコーンカーンコーン。


学校のチャイム。
それと同時に、私の日常が、動き出す。


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