陽だまりをくれたきみが好き。
「いや、なんでもねぇ」
内田くんはそう言うと机に突っ伏してしまった。
先生がそんな内田くんを注意するけど、本人は気にせずそのまま。
……内田くんって、いったいどんな人なんだろう。
あんなに綺麗な顔をして、容姿はすごく恵まれているのに、
どうしてそんなに楽しそうじゃないの?
「じゃあこれから撮影だから、私は帰るね」
「あっ、うん。撮影がんばってね!」
4時限目の数学が終わって昼休みになった時、玲香ちゃんはそう言うと教室を出て行ってしまった。
玲香ちゃん、もう帰るのか……。
寂しいな……。
ほぼ毎日雑誌の撮影で、大変そう。
身体、壊さないかな……。
「撮影だから……だって」
「自慢かよ」
「うぜぇ」
教科書を片付けている時に女の子たちがこそこそ話しているのが、やんわりと聞こえてきた。
そう、感じちゃうのかな……。
悲しい、な。
玲香ちゃん、優しい人なのに。