陽だまりをくれたきみが好き。
「川口」
私の前の席にまたがるように座るのは、早瀬くんだった。
どうして私なんだろう。
他に、私より可愛い女の子はいっぱいいるのに。
よりにもよって、どうして私なの……。
ただ、平凡に、過ごしたいと思っているだけなのに。
「今日、一緒に帰れないかな」
でも、断ることも、できない。
早瀬くんと関われば、女の子に嫌われるってわかってる。
だけど早瀬くんがすごくキラキラしたような顔で私を見てくれるから。
黙って、うなずいた。
早瀬くんといると、私の知らなかった世界が、どんどん広がっていく予感がするの。
私が、いじめられて、見れてなかったキラキラした世界。
私が、ずっと、憧れていた世界。