陽だまりをくれたきみが好き。
「からかってないんだけど」
「え……?」
「わりと本気で川口のこと知りたい」
「……っ……」
私を見る早瀬くんの真剣な眼差しと表情に息を飲む。
目線をどこに合わせたらいいのかわからなくて、目を泳がせた。
そんなの。
そんなのって……。
「信じ……られません」
……絶対おかしいよ。
こんなブサイクで、根暗で、キモい私のなにが知りたいんですか?
知ってなにがしたいんですか?
なんのために知りたいんですか?
こんな、私のことを……。
本気で知りたいって思う、早瀬くんが信じられない。
「おい亮太!!こっち来いよ!!」
「あぁ、うん!!……じゃな、川口。また」
友達に呼ばれて、行ってしまった早瀬くんにほっとため息を吐いた。
……手が、震えてる。
正直、男の子とまともな会話をしたのって、はじめてに等しい。