陽だまりをくれたきみが好き。


そして、放課後。



「川口行こっか!」


「……っ……」



放課後に近づくほどに、緊張して、手が震えた。


早瀬くんと帰るって、どんなことを話したらいいんだろう!とか。


私なんかが早瀬くんのとなりを歩いていいのかな!とか。


いろいろ、悩んだりして。


だけど早瀬くんが約束を忘れずに笑って私を迎えに来てくれたことで、すこしだけ安心することができた。


けど、まだ、怖い……。



「あのさ……」


「……?」



肩を並べて歩く私たち。


無言のまま校門を出て、真剣な顔つきで口を開いたのは、早瀬くん。



「今日、朝に言ったことだけど……」



ーーなかったことにしてくれない?


一瞬、そんなことを言われるんじゃないかと頭をよぎる。



「あれマジだから……!」



頬を、すこし赤らめて言う早瀬くんに胸がドキ!とした。


……そんな表情。

は、反則です……。



「だから、俺と付き合ってください!」



真っ直ぐな瞳。真っ直ぐな言葉。


……今までこんなに私のこと真っ直ぐに見てくれた人がいたかな。


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