陽だまりをくれたきみが好き。
「…………」
しばらく考えて。我が家では大きい方だと思われるオレンジ色のお弁当箱におかずとごはんを詰めていく。
男の子が普通に持ってておかしくないようなお弁当箱がなくて申し訳ないけど……。
ちゃんと食べないと、高校生なんてまだまだ成長期なのに。
栄養が偏らないようにしっかり食べて、寝ないとね。
……これでよし。
「川口ー!おはよーっ!」
「はっ、早瀬くん…っお、おはよう!」
下駄箱。
どもりながらも、今日も爽やかな早瀬くんに挨拶をする。
ふわふわした髪の毛。
爽やかで好印象な、笑顔。
高い身長。
……やはり、どう見ても私には不釣り合いな彼が……私の恋人。
「昨日の今日だから、すこし緊張するな……」
こっそり、私に接近して小声でそう告げた早瀬くんの顔が少し照れているように見える。
その顔が可愛くて、心をくすぐられた。