陽だまりをくれたきみが好き。



変わりたいのに、変わるのが、こわい。


キラキラした世界を見たいのに、見るのがこわい。


知らないことを知るのが、こわい。


未知なところに飛び込む勇気が……ないんだ。


私はいくじなしな、弱虫なんだ。


憧れるだけ憧れて、いざそちらに一歩を踏み込もうとすると
足がすくんで動けない。


手を引いてくれる早瀬くんの手を掴むのさえも、怖がってる私に……


キラキラした世界に行けるわけがないんだ。



「うわ!」


「きゃあ!」



ドーン!


教室の入り口前、派手にぶつかった相手は……内田くん?


尻もちをついた私と、立ったまま驚いている彼。



「大丈夫かよ」



差し出された内田くんの手。


一瞬だけ躊躇して、掴んで立ち上がる。


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