陽だまりをくれたきみが好き。



「外見のことでいじめられて来たから……私は私がキライ……」



こんな自分じゃなければ、きっと私もみんなみたいに笑えた。


こんな自分じゃなければ、きっと私はもっともっと、幸せだった。


すべては、このみにくい私の外見のせい。



「俺は川口が好き。それじゃダメ?」


「……っ……」


「人は外見じゃない。中身だよ、川口」


「そんなの、きれいごとだよ……っ」



私は、可愛く生まれて来たかったよ。


もっと目が大きくて、くちびるも色っぽくて。

スタイルがいい女の子に生まれたかったよ。



「……抱きしめていい?」


「だっ……だめです!そんなの!」



な、なんで今……!?



「お前が不安な時はそばにいる。泣く時は抱きしめる」



繋いでない方の手で私の頬に触れて、いつの間に流れていたのか、たくさんの涙をぬぐってくれた。


一瞬だけ肩をビクつかせると、早瀬くんが私を安心させるかのような笑顔を私に見せてくれて……。


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