陽だまりをくれたきみが好き。



「今朝作り過ぎまして……内田くんのお昼にどうかなって……」



トクトク。

心臓の音が、よく聞こえる。


内田くんはお弁当箱を受け取ると「助かる」とだけ。


助かる……か。

……ちょっぴり心が踊った。



「お前のメシ、美味いんだよな」


「えへへ、よかった!」


「……お前さ、そうやってもっと笑ってろよ」


「え?」


「笑ってると……いや、なんでもない」



笑ってると……なに?



「いーから、行けよ」


「う、うん……?」



目線を外したままの内田くんに首をかしげる。


内田くんって、優しいよね。

ぶっきらぼうだけど、すごく温かい人。


目線も、口調も悪いけど、

中身はすごくいい人。


……明日もお弁当作ってあげたいな。


内田くんが、喜ぶなら。


< 73 / 206 >

この作品をシェア

pagetop