陽だまりをくれたきみが好き。



お願い…と、早瀬くんをじぃっと見つめると目線を泳がせながら「うん……」と、うなずいてくれた。


二人は仲良くないのかな……。


前に早瀬くんが玲香ちゃんになにかを許したつもりないって言っていたけど、あれはなんだったのかな。


聞いても……いいのかな。

彼女の特権を使って。



「亮太、これ見ろよ」


「お?なになに」



クラスメイトの男子に呼ばれて早瀬くんが、私のそばを離れる。


……早瀬くんは、友だちが多いな。


みんなから引っ張りだこで、それに笑顔で応える彼だからこそ、みんなから慕われるんだろうな。


改めて、私の彼氏って、すごい人。


……私と一緒にいるのがほんともったいないよ。


と、その時。



「……な、なんですか」



私をじっと見る内田くんの視線に気づく。


でも彼は目線を外すと「いんやー」と、言葉をにごした。


< 77 / 206 >

この作品をシェア

pagetop