陽だまりをくれたきみが好き。


意地になる私を見て内田くんが、いつもはしかめっ面で不機嫌そうにしている顔を緩めて笑った。


声を出して、笑った。



「ふっ…はは!お前おもしれぇな」


「なっ……」


「あーあ。そして俺には遠慮せずガツガツ物を言って来るよな、お前」



そ、そんなことっ……!!

……ない……よね……?


あれ、でも私、初めて会った時も内田くんには無理やりお弁当箱渡したし……。


今だって、ひるまずに、話しかけられた。


いつもだったら、会話を諦めたりするのに。

いつもだったら、「いんやー」と言葉をにごされた時点で、うつむいてた。


……私。

内田くんには遠慮がない……?


それとも早瀬くんと付き合いはじめたことで、私の中でなにか変わって来たのかな……?



「ま、遠慮なんかして生きるのなんかダルいだろ?いーんだよ、それで。ごちゃごちゃ考えんな。めんどくせー」



なんて破天荒な考え方なんでしょう。


……でもそんな風に考えられたら、どんなに楽かな。


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