陽だまりをくれたきみが好き。
内田くんがフンと鼻で笑って、私がすねたように頬を膨らませる。
猫ちゃんが私の腕をすり抜けて地面にうまく着地。
「……よかったな」
しゃがみ込んだまま目線を合わせずに、猫ちゃんにゴハンをあげながら言った内田くんの声は優しかった。
表情は角度的に見えないけれど、きっと微笑ってるね。
「……うんっ」
そんな内田くんの背中が大きくて、風に揺れる髪の毛を無駄に見た。
内田くん。内田くん。
優しい、内田くん。
「わ、お前なんだよっ」
突然飛びかかって行った猫ちゃんにあわてる内田くんにクスっと笑った。
……私はね?
計算されたような美しい顔に似合わないしかめっ面も、
その少年のように無邪気な笑顔も、
ぜんぶ含めて羨ましいんだよ……。