陽だまりをくれたきみが好き。


ラストチャンスだと思って早瀬くんの彼女になったけれど。


あの時、私が踏み出した一歩は、間違いじゃなかったんだ。



「ねぇ、麻衣ちゃんて呼んでもいいかな?」


「えっ、はい!もちろんです!」


「ふふ。ありがと。私のことは、美由でいいからね」


「あっ、ずるいー!私は麻衣って呼ぶね?私は沙都子だからヨロシクっ」



ハイテンションな河村さんに前田さんと目を合わせて笑う。


変わるんだ。


前田さんから美由ちゃんに。
河村さんから沙都子ちゃんに。


……変わる、んだ。


はじめは変わることが怖いって思った。

いじめられるぐらいなら、一人でいいって思ってた。


でも、今は。

そんなこと、とてもじゃないけど思えないよ。


欲張りすぎるかな。

バチ、当たんないかな。


だけどもう私は戻らない。


孤独で悩んでた私には戻りたくない。


……絶対に。


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