元殺し屋と、殺し屋
「どうしたの?」
「紅羽チャン?」
「紅羽・・・?」
「何かあったのか?」
花菜、久保田くん、知紗、恭真が身を乗り出し聞いてくる。
やばい・・・。
話聞かれたら、私の花の高校生活が台無しに!
殺し屋であることを・・・阻止しなくては。
「何でもないよ。
トランプして遊んでいただけ。
皆が心配することは、何もないよ」
「でも紅羽、泣いているよね?」
「チサで良ければ聞こうか?」
花菜、知紗、ありがと。
でも、言えないんだ。
私と澪鵺が殺し屋ってことは・・・。
「大丈夫だよ。
邪魔してごめんね?」
作り笑いを2人に向けると、2人は納得していなさそうな顔をしながらも、席へと戻った。
私の叫びがそんなに大きかったのか、担任も来たけど、その時には涙を拭いていたので、何も言われることはなかった。
そんな必死な私を。
澪鵺は薄く微笑みながら、見つめていた。