元殺し屋と、殺し屋
「何ですか?」
「どうして敬語使うのよ。
タメ口で良いわよ」
「いや・・・。
だって、紅羽の方が何に置いてもボクより上ですから。
上の人には敬語を使う、常識でしょう?」
「そうだけどさ・・・」
まぁ常に敬語を使う人は少なくないし。
花菜と知紗も気にしていないみたいだし。
恭真も久保田くんも、何も言わないし。
・・・良いか。
「じゃあせめて“ボク”はやめなさい。
前の仕事の時は自分のこと、“俺”って言っていたでしょう?
少なくとも、私の前では“俺”で良いわよ」
「・・・わかりました!」
本当の一人称が“俺”らしく、ニコリと澪鵺は微笑む。
「そういえば、今日の夜、空けておいてくださいね」
「は?
何で澪鵺に私の予定を決められるのよ」
「俺だけじゃないです。
後で氷さんからも連絡行くと思います」
「氷さん?
何で氷さんが出てくるのよ」
修学旅行中は仕事しないから、氷さんなんて関係ないはず。