元殺し屋と、殺し屋
「殺し屋の道10年のベテランです」
「10年!?
私よりも上じゃないの!
どうしてそんなベテランさんが手こずっているの?」
「その住人、地元の暴走族総長で、元殺し屋です」
「暴走族総長で元殺し屋?」
まぁ、裏の世界のこと知りつくしているじゃない。
「そんなに強いの?その住人は」
「ええ。
殺し屋世界ランキング2位の男ですから」
待て待て待て!
かなり強敵じゃないの!
「私たち・・・死なないわよね?」
「多分、大丈夫でしょうね」
「多分!?」
「俺は死んだとしても、紅羽は死にませんよ」
何その理屈。
可笑しいんじゃないの?え?
「私は“元”世界一の殺し屋。
比べて澪鵺は“現”世界一の殺し屋。
澪鵺が死ぬはずないじゃない」
「俺は世界一の殺し屋ではありません。
世界一の殺し屋は、紅羽・・・あなたです」
「私・・・?」
真剣な目を、私に向ける澪鵺。