元殺し屋と、殺し屋
言い忘れていたけど。
仕事中は私、三つ編みをほどくの。
眼鏡もダテなので外す。
服は勿論、仕事用の氷さんに急きょ用意してもらった服。
自慢のサラサラ黒髪が、闇夜に揺れる。
「誰だぁこの姉ちゃん」
「お前さんの知り合いじゃないのかい!?」
「ちげぇよ!
こんなブス、知らねぇよ!」
ブス!?
初対面のアンタに言われたくないわ!
ところで。
どうしてロンリネスは、私に超失礼兄ちゃんを守れと言ったのだろうか?
兄ちゃんは世界2位の殺し屋。
自分の身ぐらい自分で守れないのか?
肝心のロンリネスはいないし。
どこに行ったんだか。
・・・と、その時。
ザクッ
闇夜に、低い低い音が響いた。