元殺し屋と、殺し屋
俺はたまに殺し屋が主人公の小説などを読むが、殺し屋は殆ど“孤独を愛する一匹狼”のような人物が多い。
現に俺もそうだし。
恭真や総司とかは話すけど、必要最低限しか話さないし、笑わない。
人と付き合うこと自体、苦手だし。
紅羽は、今まで俺が抱いていた殺し屋像を、簡単に壊した。
殺し屋のくせに純粋で。
殺し屋のくせに真っ直ぐで。
殺し屋のくせにお人好しで。
殺し屋のくせに友達を作りたがる。
あげたらキリがないほど。
紅羽は今まで俺が出会って来た中でも、特に変わっている殺し屋だ。
多分紅羽が
罪を犯さなければ。
俺は1人の男として、紅羽に恋をしていただろう。
殺し屋でも。
でも紅羽。
俺は紅羽に復讐しなければ。
そうしないと、
俺自身が壊れる・・・・。