元殺し屋と、殺し屋
「はーい、どちら様?」
『・・・ダーク?』
「アリサ?」
私の仕事仲間・アリサ。
仕事の関係上、私たちはコードネームを与えられるが、アリサは本名をコードネームに使っている。
ばれる恐れがあるからやめなさいって何度も言ったんだけどなぁ。
「どうしたのアリサ」
今、アリサは別の仕事中。
電話なんて出来る状況なのかな?
『・・・遥華港(はるかみなと)にある倉庫、わかる?』
「わかるよ」
あんまり人が通らなくて、仕事をするにはピッタリの場所だ。
『・・・そこに、1人で来て』
「良いけど・・・」
私が答えると、電話は切れてしまった。
なんだろ、一体。
私は耳のイヤホンの通信機能を切り、タクシーを拾い、遥華港へ向かった。