元殺し屋と、殺し屋
家に帰って早々、私は氷さんのバーへ向かった。
最終日自由行動の日。
私は花菜と知紗に頼み、氷さんへのお土産を買ってきてもらっていた。
そのお土産、地域限定ポテトチップスを持ち、私はバーへ向かう。
財布やスマホなどが入っている鞄には、赤い三日月形のストラップがぶらさがっていた。
花菜と知紗が、氷さんへのお土産を買った時、寝不足で寝ていた私へのお土産として、買ってきてくれたのだ。
花菜は緑色の三日月、知紗は青色の三日月というお揃いだ。
「氷さん!」
「おうお帰り」
久しぶりに会う氷さんは、変わっていない。
「これ、お土産」
「お、ありがとな」
「あと、お願いがあります!」
「紅羽の頼みなら聞くぞ。
旅行先で依頼させちまったからな」
「過去に私と有咲が実行した依頼の全て、見せてください!」
「は?」
澪鵺の双子の妹・神崎レンナさん。
私と有咲が知っていると言っていた。
私たちはプライベートでは友人がいなかったため、会うとしたら依頼でだ。