元殺し屋と、殺し屋
復讐の刃
☆紅羽side☆
月明かりの下、澪鵺は立っていた。
スマホをポケットの中に仕舞うと、私を見た。
「お待ちしていました・・・紅羽」
「お待たせ。待った?」
「いえ、それほどは。
・・・わかりました?
紅羽が犯した罪は」
「・・・ええ。
神崎怜凪さんを殺した。私が」
「何故?」
「依頼を受けたから」
「そうです。
紅羽がレンナを殺さなければ、あなたの親友が亡くなることもなかったのですよ」
・・・親友が亡くなることがなかった?
「どういうこと・・・?」
「では、全ての種明かしをしましょうか」
「ええ・・・お願い」
「紅羽の親友であり仲間、沖島有咲を殺したのは、俺です」
「・・・え?」
澪鵺が、有咲を?
殺した・・・?
「紅羽はその日沖島有咲が殺すはずのターゲットが殺したのかと思っていましたけど、それは間違いです。
あの日沖島有咲はちゃんと任務を成功した。
その後、ある人物へここに来るよう言われ、俺に会ったんです」