元殺し屋と、殺し屋










「紅羽は有咲に出会ったから、闇を消すことが出来た。
一方の澪鵺は、レンナちゃんを失ってから闇を消せていない。
闇から出てきた紅羽なら、澪鵺を助けられると思い、僕は復讐の手助けをしたんだ」

「私が・・・澪鵺を救う・・・・?」

「僕は救うことは出来ないよ。
紅羽だから・・・出来るはずだよ」

「氷さん・・・」

「そうだ。
紅羽に教えていないことあったね」

「何ですか?」

「僕の本名」



・・・は?

氷さんの本名?




「和泉氷じゃないんですか・・・?」

「読み方はそうだけどね」

「え?」

「紙と書くものはあるかい?」



私は近くにあったメモ帳とボールペンを渡した。

氷さんは最初のページに、スラスラ書いて行く。




【和泉包】



これで・・・カセン ヒョウ?

ヒョウって漢字・・・包むって読むよね?








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