元殺し屋と、殺し屋
「どうして氷になったんですか?」
「・・・僕は親に捨てられたんだけどね。
その親は、最初僕に包と名付けようとした。
でも・・・途中で氷に変えたんだ」
「そうなんですか・・・」
「僕がその後居た施設の園長が教えてくれたんだ。
何故途中で変えたのかは・・・謎のままだけどね」
「・・・」
「僕は、コオリのように冷たい人間だ。
お金で左右され、お金さえもらえればどんな情報も教える。
でも・・・たまには包んであげたいんだよね」
「氷さん、詩人になれますよ?」
「ありがとう・・・」
ニコリと微笑んだ氷さん。
氷さんはコオリのように冷たい人間じゃないと思うよ。
裏切り者かと思ったけど。
こうして来てくれた。
氷さんのコオリは、溶けるのはもうすぐなんだな。
って、私は信じられると思うな。
「そうだ紅羽」
「はい?」
「これあげる」
私に紙袋を渡した氷さんは、「炭酸ありがとう」とお礼を言って家を出て行った。