元殺し屋と、殺し屋
「生きて・・・ますよね?」
「一命はとりとめたけど・・・。
何分(なにぶん)出血が多かったからね。
生きるかどうかは、彼次第ね」
生きるかは・・・澪鵺次第。
「・・・あなた、出血しているじゃない!
どうしたの?」
「ふぇ?」
あ・・・私恭真に手首浅く切られたんだ。
忘れていたわ・・・アハハ。
「止血しないと。
ちょっと一緒に来てちょうだい」
「はい・・・」
私は看護師さんに包帯を巻いてもらい、再び病室へ戻ってきた。
「澪鵺ぁ・・・」
私は泣いていた。
『紅羽は泣かない子ね』
『強い子だな、紅羽』
ふと蘇る、幼き頃の記憶。