元殺し屋と、殺し屋







 【5日前】


☆澪鵺side☆




俺は雲隠れした月の下、溜息をついた。




「澪鵺ー」

「・・・ボス」

「ボスなんて言うなよ。
俺今制服姿だしさー」

「恭真、何の用ですか?」

「え?俺でも敬語使うのか?
普通にタメ口で良いんだけど?」

「・・・慣れました、敬語に」

「だからさっきも紅羽に敬語使っていたのか。
面白いなぁお前は」



アハハと笑う恭真。



「俺に何の用ですか?」

「1つ聞きたいことがあってな」

「何ですか?」

「・・・何故、ダークを殺さなかった?」

「・・・!」

「お前はダークに、玉置紅羽に復讐を誓っていたはずだ。
何故殺さなかった?」

「・・・ッ」

「答えろ」

「・・・」

「答えろ!」






「・・・好きだからです、紅羽・・・が」










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