元殺し屋と、殺し屋











「なぁ澪鵺」



急に真面目な顔になってボスは言う。



「お前が復讐するだしないだは、お前に任せる。
後悔しねぇよう、それだけは気を付けろよ」

「・・・復讐しなければ俺が壊れると言ったのは、ボスですのに。
コロコロと意見が変わる人ですね」

「アハハ、よく言われる」



言われるんだ・・・。



「じゃ、俺はこの辺で。
もう眠くてさぁ」

「そうですか・・・。
おやすみなさい」

「おやすみ」



その瞬間。











ザクッ



「・・・ッ!?」

「あーあつまんねぇの。
現世界一の殺し屋なら、それぐらい避けろよな」



手首から、鮮血が流れ落ちる。

ボスの奴・・・深く切りやがって。



楽しそうに口元を歪めて笑うボスを置いて、俺は家へと帰った。








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