元殺し屋と、殺し屋
いきなりの私からの抱きつきにも気にせず、澪鵺も返してくれた。
「素直すぎるんですよ、紅羽は。
紅羽といると、復讐したい気持ちが、だんだん薄れていくんですよね」
「澪鵺・・・澪鵺ぁ・・・」
「俺は紅羽に復讐するより、紅羽と一緒にいることを、望みたいんです」
「うっうっうっ」
涙は、哀しい時にしか流れない。
でも、嬉しい時にも流れる。
涙は、流した分、強くなれる気がするんだ。
「私も、澪鵺が、大好き!」
「クスッ、俺もです」
私は夕日をバックに、キスを交わした。
好きな人と結ばれるのは、確かに難しい。
でも、結ばれた時は、凄く嬉しいんだ。
この先、私たちは喧嘩もするだろう。
でも、好きだと思える相手となら、きっと何度でもぶつかり、何度でも仲直りは可能だと思う。
何があっても、一緒にいたいんだ。
大好きな・・・澪鵺と。